月(太陰)の満ち欠けを主とし、太陽の運行を合わせ考えてつくられた太陰太陽暦(旧暦)の廿三日の夜、月の出を待って拝めば願い事がかなうという信仰があります。廿三日は勢至菩薩の縁日であるため、同菩薩を廿三夜尊としてお祀りし諸願成就をお祈りします。 勢至菩薩は衆生救済の力がとりわけ大きく、智慧の光をもってあまねく一切を照らし、衆生の迷いを除き、無上の力を得させてくださいます。ですから、大勢至菩薩あるいは得大勢菩薩ともいわれます。また、勢至菩薩は佛心の種子を衆生の心に植えつけ、それが傷つくことなく成長するよう守護してもくださいます。 勢至菩薩は、観世音菩薩とともに極楽浄土の阿弥陀如来の脇侍であり、これら阿弥陀如来・観世音菩薩・勢至菩薩の三体を合わせて阿弥陀三尊と申します。阿弥陀如来の脇侍のうち、観世音菩薩が衆生を救う慈悲を象徴するのに対して、勢至菩薩は智慧を象徴します。この智慧の光で私たち生きとし生けるもの(衆生)を導いてくださるのです。 勢至菩薩は、午年生まれの守り本尊でもあります。 |